2018年12月9日日曜日

ファイルサーバーの交換とその転送ツール

仕事の話ではあるが、先月の暮れに客先でサーバーの交換対応をした。
と言ってもWindows Server2008→Windows Server2016への交換でADとファイルサーバーの2台冗長構成という比較的簡素な作りだが。
その際にファイルサーバーの交換で検討したツールを備忘録がてら比較する。

Windows Server移行ツール
実際の作業でもこれで対応した。ファイルサーバーの移行であればADの移動プロファイルや共有ファイルのアクセス権限も含めてそのまま転送できるし転送元での転送操作、転送先での受信操作を行う上でファイル転送をするので確実性という点でも盤石な選択肢だ。
ただ、ファイル移行時にデータの暗号化と復号化という段を踏むのでマシンスペックやネットワークの速度にも左右されるが非常に時間がかかるというのが難点。(特にADのプロファイル移行で時間を取られる。事前検証でも2アカウント、数MB程度のデータでも20分近くかかった)。
また、ファイルの差分移行についてもファイルやフォルダの新規作成、名前の変更といった差分移行はできるもののファイル内部の編集といったファイル内の差分は移行できないという短所もある。
本番での環境は移行元サーバーのスペックが2コアPentiumの1.8GHz、メモリも4GB程度のエントリーモデル、加えてネットワーク環境が100BASE-Tの貧弱なルーターで150GBデータ容量を転送するというものでデータ移行だけで36時間もかかるという有様だった。 (といっても作業そのものは3連休での実施だったこと、事前にPowerShellのバッチファイルを作ってそれを仕込んでおいたので常時端末前で張り付くという必要もなかったが。ただ、1日目の夕方にバッチ実行を開始しすべての移行が完了したのが3日目の朝だった)

②robocopyでの移行
コマンドプロンプト上で完結すること、2つのサーバーを同時に操作せずとも以降先サーバー、移行元サーバーのどちらか一方の操作だけで済むこと、あとファイルの差分移行やアクセス権限の指定もコマンド上で指定して実行できるので自由度という点ではサーバー移行ツールよりはかなり高い。ただ、コマンド実行時に「移行元のサーバー」と「移行先のサーバー」の書く順序を間違えた場合はrobocopyが「逆走」して大惨事になるので注意が必要だ。

ファイルサーバー移行ツール(FSMT)
割と古めだが結構枯れたツールではある。GUI操作で移行するフォルダを指定できる点も合わせて手っ取り早くデータ移行をするだけならこれで十分。 ただ、移行先のフォルダで新たに「<移行元サーバー名フォルダ>-<フォルダ>」といった形で新たに移行元サーバー名のフォルダ階層が作られてしまうことやそのフォルダから移行したフォルダを移行元と同様にドライブ直下などに異動させた場合はファイル共有のアクセス権限が外れるので今回のように共有フォルダや移動プロファイルを含むフォルダの移動の際はこのツールは使えない。ただ、手っ取り早く単にデータを新しいサーバーに引っ張るだけ、ならFSMTで事は足りるか。

 総括するとすれば、Windows Server移行ツールて押し通すのではなくrobocopyの検証と手順をもう少し詰める、もしくはファイルコピーとアクセス権限のつけ直しなどをもう少し応用しておくなどもう少し上手くやれる道はあったかもしれない。 一先ずファイルサーバーの移行自体は無事できたので結果的には良し、といったところか。

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